
出荷するコードの中で最も危険な一行は、それだけを見れば無害に見えるかもしれません。リスクが明らかになるのは、そのコードがアプリケーションのほかの部分とどう関わるかを確認したときです。それを見つけるには、リポジトリ全体にわたるつながりをセキュリティレビューで追う必要があります。
CodeRabbit Security はまさにそれを行います。コードベース全体からアプリケーション固有の脆弱性を探し、それぞれの根拠を示し、裏付けられた検出結果を開発ワークフローから離れることなく修正へ進めます。
AI が防御側に残された時間を縮めている
AI は、精査が必要なコードの量を増やすと同時に、攻撃者がコードを調査する速度も高めています。New Relic の 2026 State of AI Coding レポートでは、調査対象となったテクノロジーリーダーの 67% が、組織の週間コード出力の 51% から 75% を AI が生成または大幅にリファクタリングしていると回答しました。Veracode が 2026 年春に実施したテストでは、セキュリティに特化した指示を与えず、4 つの言語と 4 つの脆弱性カテゴリにまたがる 80 のコーディングタスクをモデルに与えました。安全なコードを生成したのは 55% にとどまり、残る 45% では既知のセキュリティ上の欠陥が持ち込まれました。
攻撃者も同じ力を手にしています。2025 年 11 月、Anthropic は、中国政府の支援を受けた組織である可能性が高いと評価したグループが Claude Code を操作し、サイバースパイ活動で約 30 の組織への侵入を試みたと報告しました。Anthropic によると、活動の 80% から 90% を AI が担い、人間のオペレーターが介入したのは、各ハッキング活動におけるおよそ 4 から 6 の重要な意思決定時点でした。
コーディングエージェントそのものも攻撃対象になっています。2026 年 6 月、Tenet Security は agentjacking と呼ぶ攻撃を報告しました。偽の Sentry エラーレポートに隠された指示によって、コーディングエージェントに攻撃者の意図した処理を実行させるものです。Tenet は、Claude Code、Cursor、Codex を含む 100 以上のエージェントが、管理された検証環境で注入されたエラーに従って動作し、そのエラーに対する攻撃成功率が 85% だったと報告しています。
この脅威の変化については、「検出し理解できないものは修正できない」でも詳しく取り上げています。
脆弱性は「実行されないチェック」に潜むことがある
既知のルールやデータフローパターンによって脆弱性を特定できる場合、静的解析は非常に有効です。ハードコードされたシークレット、脆弱な依存関係、多くの一般的なインジェクション経路を検出できます。
一方で、アプリケーション固有の挙動に依存する脆弱性もあります。関連するコードがルート、サービス、認可ロジック、データモデルにまたがり、どの一行も単独では危険に見えないことがあります。
この簡略化したリクエスト経路を見てみましょう。

既知のルールとデータフローパターンに注目するスキャナーには、安心材料がいくつも見えます。ルートには認証があり、データベースクエリはパラメーター化され、ユーザー入力は明らかなインジェクション先に到達しません。
しかし脆弱性は、アプリケーションが一度も行わない確認にあります。
requireAuth が証明するのは、呼び出し元がログイン済みであることだけです。リクエスト経路のどこにも、呼び出し元が注文 :id の所有者であることや、その注文を閲覧する権限があることを確認する処理がありません。そのため、注文 ID を列挙できる認証済みユーザーは、ほかの顧客の注文を取得できます。
この Insecure Direct Object Reference を検出するには、アプリケーションレベルの推論が必要です。CodeRabbit Security は認証と認可を区別し、スキーマと周辺コードを調べて所有関係を確認し、攻撃者が制御できる入口の req.params.id からコントローラーを経てデータベース検索までを追います。リクエスト経路に所有権または認可の確認がない場合、CodeRabbit Security はそのルートに到達できるかを判定し、検出結果を裏付ける入口からシンクまでの証拠を提示します。
経路全体を追うことで、アプリケーションの設計によって初めて悪用可能になる認可バイパスの連鎖、ビジネスロジックの欠陥、プロンプトインジェクションの経路を明らかにします。こうした問題を見つけるには、攻撃者のようにコードベースを調べ、仮説を検証し、コードが裏付けるものだけを残す必要があります。
CodeRabbit Security の 4 段階ワークフロー
エンドツーエンドの体験は、Map、Hunt、Verify、Fix の 4 つの段階で構成されます。Map、Hunt、Verify が分析を担い、検出結果が検証を通過すると Fix が始まります。それぞれの段階は、調査をさらに進めるために必要なアプリケーションコンテキストとコードの根拠を次の段階へ引き渡します。

Map
AI エージェントが安全なサンドボックス内でリポジトリを探索し、アプリケーションをシステムレベルでマッピングします。入口、信頼境界、認証と認可のチェック、そしてそれらの関係を特定します。
さらに、外部からアクセス可能な入力と、それが影響し得るコードやリソースを結ぶ到達可能性グラフを構築します。これにより、アプリケーションのアーキテクチャに合致する攻撃経路に調査を集中できます。
Hunt
マップによって調査対象が絞り込まれます。専門化されたエージェントが、認可、インジェクション、ビジネスロジック、データ露出、AI 固有の脅威など、異なるリスク領域を並行して調査します。
攻撃者が制御する入力を入口からシンクまで追い、その途中にある信頼境界と制御を確認し、脆弱性候補ごとに裏付けとなるコードを収集します。
Verify
CodeRabbit が検出結果を公開する前に、独立した検証に耐えられる必要があります。
検証担当エージェントは引用された経路を再確認し、コードに到達できるか、アプリケーションの別の場所に保護策があるか、悪用に必要な条件が実際に成立するか、そして証拠が主張された影響を裏付けているかを確かめます。
重複は除外されます。テスト専用または到達不能なコードに依存する候補、既存の保護を見落とした候補、裏付けのない仮定に基づく候補も棄却されます。また、証拠だけでは結論を出せない場合、CodeRabbit はそのことを明示します。不完全な分析を、脆弱性が悪用可能である証拠や、リポジトリが安全である証拠として扱うことはありません。
Fix
対象となる検出結果について、Fix with AI は確認済みの攻撃経路とアプリケーションコンテキストを使い、セキュリティブランチ上に範囲を限定した修正案を作成し、レビュー可能なプルリクエストまたはマージリクエストを開きます。その PR には、入口とシンクから到達可能性の分析、悪用条件、潜在的な影響まで、検出結果の技術的な説明が引き継がれます。
開発者はパッチを確認し、推論をレビューし、既存のテストとチェックを実行してからマージするかを判断します。検出結果、その証拠、提案された修正、レビュー履歴が開発ワークフロー内で一体となるため、スキャナーダッシュボード、チケットシステム、別の修正プロジェクトに情報が分散しません。
チームはリポジトリコンテキストを追加し、Security Learnings を作成し、カスタムパス指示を書くこともできます。CodeRabbit は、その後の AI Deep Scan で関連するガイダンスを適用し、アプリケーションのアーキテクチャとチームが文書化した判断を分析に反映します。ただし、そのガイダンス自体を証拠として扱うことはありません。
セキュリティの結果は、AI Deep Scan の検出結果、PR Findings、依存関係、シークレット、ソフトウェア部品表、攻撃対象領域の専用ビューに整理されます。結果の種類に応じて、CSV、JSON、SARIF、PDF、CycloneDX、SPDX などの形式で共有またはエクスポートできます。
すべての PR とコードベース全体を継続的にカバー

アプリケーションのセキュリティ状態は、変更されていないコードも含め、マージのたびに変化します。CodeRabbit Security は 2 つの補完的な範囲からそれを監視します。
AI Deep Scan は、リポジトリ全体のコミット済みソースコードとインフラストラクチャ設定を分析します。対応プロバイダーではオンデマンドで実行でき、GitHub リポジトリでは定期スケジュールでも実行できます。数か月または数年前に出荷されたコードのリスクも明らかにし、アプリケーションのセキュリティ基準線を作ります。
PR Findings は、提案された変更の意図がまだ明確なうちに、プルリクエストレビューで指摘されたセキュリティ問題を記録します。これらは AI Deep Scan の結果とは別に表示されるため、チームは新しい変更に含まれるリスクと、コミット済みコード全体から見つかった脆弱性を区別できます。
AI Deep Scan と PR Findings を組み合わせることで、2 種類の分析を分けたまま、マージ前後のセキュリティを把握できます。
Agentic Change Management における CodeRabbit Security
CodeRabbit は、プルリクエストのための独立した AI レビュー層として始まりました。CodeRabbit Security は、そのアプローチをプルリクエストの先まで広げ、マージの前後でソフトウェア変更を統制するより大きな仕組みである Agentic Change Management の一部になります。
AI レビューは、マージ前に提案された各変更を独立して確認します。CodeRabbit Triage は受け取った作業の優先順位付けとルーティングを支援します。Change Stack は、変更の意味、アーキテクチャへの影響、影響範囲を説明します。Security はアプリケーションコンテキストをマージ後まで引き継ぎ、検証済みのリスクをプルリクエストへ戻します。
その結果、提案された変更を評価し、出荷されたコードを維持するための一つのコントロールレイヤーが実現します。
自分のコードで試す
CodeRabbit Security は CodeRabbit と同じセキュリティとプライバシーの基盤上に構築されています。転送時と保存時の暗号化、および独立監査済みの SOC 2 Type II コントロールを備えています。データの取り扱い、保持、コンプライアンスに関する最新情報は、CodeRabbit Trust Center で確認できます。
CodeRabbit Security は現在、GitHub Cloud と GitHub Enterprise Server、GitLab Cloud とセルフホスト版 GitLab、Azure DevOps Services、Bitbucket Cloud で利用できます。CodeRabbit アプリで Security を開くか、Security Agent のドキュメントに従って開始できます。



