
私たちがCodeRabbitを創業した当時、AIはすでにソフトウェアの書き方を変え始めていました。業界がどこへ向かうのかを見据えたとき、今後ますます重要になると確信した問いが一つありました。それは、生み出されるすべてのコードを、誰が独立した立場で検証するのかという問いです。
その問いから、私たちは世界初となるAIコードレビュー製品の開発を開始しました。この4年間で、CodeRabbitは業界をリードする独立型AIコードレビューレイヤーへと成長しました。コードベースを理解してチームから学び、開発者が信頼して行動に移せる、根拠に基づいたフィードバックを提供しています。
そして今日、私たちは2つの節目を発表します。
1つ目は、シリーズBの資金調達から1年を待たずして、評価額15億ドルで1億4,300万ドルのシリーズC資金調達を実施したことです。AtomicoとSmash Capitalが共同で本ラウンドを主導し、新規投資家のBMW i Ventures、Datadog、Hirtle Callaghan、SineWave Ventures、Scenic Managementに加え、既存投資家のCRV、Scale Venture Partners、Flex Capital、Pelion Venture Partners、Harmony Partners、Engineering Capitalが参加しました。
もう1つは、CodeRabbitの次章となる新しい製品カテゴリー「Agentic Change Management」の発表です。AIコーディングエージェントによってワークフローが変化する中、その対応を模索している何千ものチームと話すうちに、AIコードレビューだけでは問題の一部しか解決できないことがわかりました。
Agentic Change Managementには、何をリリースすべきかの検証であったり、開発者の注意と時間が最も大きな価値を生む場所を優先的に並び替えたり、AIが生成する巨大なPRの意図とリスクを説明したり、増大するAIセキュリティ脅威に直面してもマージ後のコードベースを健全に保つための包括的なツール群が必要だと私たちは考えています。
Issueトラッキングは終わり、すべてが変わりつつある
かつて、実装には大きなコストがかかりました。チームは何を作るかを議論して優先順位を定め、作業を割り当ててから希少なエンジニアリング時間を慎重に投じてアイデアをコードへ変えていました。
実装コストが高かったからこそ、コードが存在する前に計画と判断を行う必要がありました。
AIはその順序を逆転させています。
自動修正機能の普及により、製品要件やサポートチケット、セキュリティ上の検出事項、本番環境のアラートが、容易かつ短時間でコード変更の提案材料になり得ます。
コーディングエージェントは何時間も稼働して何千行ものコードを生成し、人間の関与をほとんど必要とせずにPRを作成します。開発者やプロダクトマネージャー、デザイナー、さらにはマーケターまでチームの誰もがコード変更を始められます。
この変化は加速しています。GitHubは今年、コミット数が14倍になるペースで成長しています。コーディングエージェント導入率が上位10%の企業では、自律型エージェントがPRの35%を作成しています。
その結果、作業価値や優先順位、エンジニアの注意を向けるに値するのかをチームが判断する前に、コードができあがるケースが増えています。バックログはチケットからPRへ移りつつあります。
この変化は、PRの役割を根本から変えます。
PRは何をリリースするのか、変更が品質基準を満たすのか、どのようなリスクをもたらすのか、システム全体にどう影響するのか、そしてリリース準備が整っているのかをチームが判断する、監査可能な計画と意思決定の場になっていきます。
次にチームが解決しなければならない問題は、PRのバックログが増え続けても人間の注意力は有限だということです。大規模なAIエージェントの出力は、人間が理解に使える時間を超えています。PRが増えるたびに、コードベースには新しい関係や依存関係、セキュリティ上の露出、保守性のリスクが加わります。
新たなボトルネックは「判断」です。
Agentic Change Managementプラットフォームのご紹介
Agentic Change Managementプラットフォームは、人間とエージェントが作成するソフトウェア変更のコントロールレイヤーです。
CodeRabbitの独立型AIコードレビューを拡張し、変更の検証や注意を向ける先の優先付け、影響の説明、リリース済みコードベースの継続的な監視を一つのシステムに統合します。
提案された変更には、根拠や優先度、人が理解できる説明が伴うべきだと私たちは考えています。そして、その変更が取り込まれるコードベースは、進化を続けても安全で管理可能な状態に保たれなければなりません。
引き続き、独立型AIコードレビューは基盤になります。CodeRabbitは、複数リポジトリにまたがるコンテキストや組織の基準、マージ前チェック、チームの知識、隔離されたテスト環境から得られる根拠を使って変更内容を評価します。変更の前提に異議を唱え、人間のレビュアーが時間を投じる前に、疑わしい障害を検証します。
そして今日、私たちは3つの新機能を発表します。
- CodeRabbit Triage
- CodeRabbit Change Stack
- CodeRabbit Security
これらを組み合わせることで、優先順位付けやコードの説明可能性、コードベースの継続的な監視について、同じ独立型コードレビューシステムに統合します。

CodeRabbit Triageが注意を向ける先を支援
変更量が増えるにつれて、PRのキューは意思決定システムになります。
到着順だけでは、チームがどこに時間を使うべきかほとんどわかりません。本番環境の修正やセキュリティ変更、未完成の実験、低リスクのリファクタリングは、それぞれの価値や緊急度、準備状況、リスクに応じた判断を行うべきです。
CodeRabbit Triage:
- 価値や緊急度、リスク、依存関係、準備状況、レビュアーとの適合性などを基に、届いた変更をスコアリングして振り分け
- 影響の大きい作業を人間のレビュアーへ送り、低リスクの変更を自動化されたワークフローへ移動
- 重複した作業や関係のない作業、準備が整っていない作業を除外
これにより、何を最初に進めるべきか、何を待たせられるか、どこで人間の判断が最大の効果をもたらすかを、より明確な根拠に基づいて決められます。キューは、PRの並び順ではなく、組織の優先事項を反映するようになります。
提案される作業量が増えても、チーム全体の有効性を高めることが目標です。最も価値のあるエージェントはチームの優先事項に貢献し、限られた注意を、最大の価値を生む変更や最も重大な影響をもたらす変更へ向ける手助けをします。
CodeRabbit Change Stackが変更を説明
差分は何が変わったかを示します。Change Stackは、その差分が何を意味するかを示します。
従来のGitHub PRインターフェースは、レビューの中心に差分を置いています。人がコードを書いて、レビュアーが追いかけられるペースでPRが届いていた時代には、それで十分でした。しかし、AIエージェントが生成する変更はその前提を崩します。量と範囲が増えるにつれて、1行ずつ読むレビューは適切な出発点ではなくなります。
CodeRabbitのレビューエージェントは、差分の詳細を処理できます。Change Stackは、変更そのものを人間が理解できるようにします。各部分がどうつながるか、どのコントラクトや挙動に影響するか、移行を導入するのか、統合を変更するのか、影響がどこまで及ぶのか、そして誰の判断が必要なのかを示します。
CodeRabbit Change Stack:
- AIエージェントが生成した巨大な差分を数分で理解可能に
- エージェントが生成した変更を、意味のあるレイヤーに整理して関連する修正をグループ化し、変更内容を順を追って説明
- 目的とリスクを表面化し、それらがより大きなシステムにどう影響するかを提示
- そのまま進められる作業と、より深い判断が必要な領域をレビュアーがすばやく特定できる形に
AIによる生成が複雑になるにつれて、説明可能性はソフトウェア開発の基盤になると私たちは考えています。
本番環境のオブザーバビリティは、稼働中のシステムを理解する方法をチームに与えます。コードの説明可能性は、そのシステムに入ろうとしている意思決定と挙動を理解する方法を与えます。コード出力が加速しても、チームに必要な共通理解を保ちます。
CodeRabbit Securityがデリバリー後のコードを守る

マージのたびにシステムは変化します。
依存関係は進化して新たな脆弱性が現れ、データフローは変化してアーキテクチャ上の前提は古くなります。ある状況では安全に見えたコードも、コードベースの別の部分との相互作用によってリスクになり得ます。
LLM(大規模言語モデル)は、ソフトウェアの脆弱性を発見するために必要なコストと専門知識も引き下げています。防御側も攻撃側も、より多くのコードを調べ、より多くの攻撃経路をより速く大規模に実践できます。
- レビュー時に使うコードベース全体の理解と独立した推論を、本番環境ですでに稼働しているコードにも適用
- ファイルやサービス、データフロー、認可境界、信頼境界をまたぐ関係を分析
- 固定ルールやファイル単位のパターンマッチングでは見落とし得る、複雑なセキュリティリスクとビジネスロジック上のリスクを特定
すべての検出事項は、コード上の根拠に基づきます。CodeRabbit Securityは、脆弱な経路が実在かつ到達可能かを検証し、修正の優先順位付け、提案された修正をPRワークフローに送信します。送られた変更を評価するのと同じコントロールレイヤーが、リリース後もコードを守り続けます。
継続的なメンテナンスは今後、ドリフトや重複、技術的負債、変化するコードベースに蓄積するより広範なエントロピーにも対応していきます。人間とエージェントが生成した何千もの変更がシステムの一部になっても、健全な状態を保つことが目標です。
人間をループ内に保つAI
提案された変更は作成者やレビュアー、メンテナー、セキュリティチーム、そしてシステムを引き継ぐ人まで、組織内でコードに関わるすべての人に影響します。その価値は組織が変更を理解・信頼・統制・運用・保守可能かどうかで決まります。
AIが得意なことは数多くあります。しかし、意図やアーキテクチャ、プロダクト上の判断、許容できるリスク、最終的にリリースするものがもたらす結果には、今後も人が責任を負います。私たちの役割は、人間がループ内に留まりやすくすることで、その判断をスケールさせることです。
そのために私たちは、コードレビューを通じて集める、業界をリードするコードベースのコンテキストを活用しています。CodeRabbitは、コードベースがどのように組み合わさっているかを意味的に理解してチーム基準を学び、レビューを繰り返すごとに知識を蓄積します。同じコンテキストが検証や優先順位付け、継続的な監視を支えます。つまり、隔離された環境で検出事項を検証してリポジトリ全体でポリシーを一貫して適用し、開発者とエージェントに各変更の共通ビューを提供します。
組織は多くのコーディングエージェントを使い、人々は異なるツールやワークフローを横断して働くようになります。CodeRabbitは、それらのエージェントやリポジトリ、開発環境を横断する一つの独立した品質・ガバナンスシステムを提供します。
今、資金を調達する理由
この1年間でCodeRabbitの売上は5倍以上に成長し、プラットフォームは現在、毎週200万件以上のコードレビューを実施しています。17,000を超える顧客と15万のオープンソースプロジェクトが、ソフトウェアの品質と信頼性を高めるためにCodeRabbitを信頼して利用しています。
シリーズCの資金により国際展開を加速し、Agentic Change Managementプラットフォームを世界規模で機能させるために必要な研究やインフラ、製品機能へ、さらに深く投資できます。また今後12か月で、AIコードレビューとエージェント機能をオープンソースプロジェクトとメンテナーへ無料で提供し続けるため、1,000万ドル以上を投資する予定です。
CodeRabbitは、ソフトウェア変更が加速するなかで組織に必要となる、コンテキストや検証、優先順位付け、説明可能性、セキュリティ、コラボレーションの各システムを引き続き構築します。初のAIコードレビューツールを構築し、人々のコードレビューのあり方を変えてきた私たちの歩みに加わってくださった皆さまに、心から感謝します。
次の章を、とても楽しみにしています。




