レビュー待ちと確認負荷を低減。UbieのCodeRabbit活用事例
「テクノロジーで、医療の願いを解き放つ」をミッションに掲げるUbie株式会社は、通常の開発業務と並行して発生するレビュー待ちと細かな確認の負荷を、CodeRabbitによる一次レビューで軽減し、人が設計や意図の判断に集中できる体制をつくっています。


人へ依頼する前に別の視点から確認できる一次レビュー
変更内容と周辺のコードを踏まえ、理由まで説明する指摘
既存のコードレビューフローへ自然に組み込める導入負荷の低さ
人は実装の背景や設計方針の判断に集中できる役割分担

Ubie株式会社は、「テクノロジーで、医療の願いを解き放つ」をミッションに、医師とエンジニアが2017年に創業したヘルステックスタートアップです。記事公開時点で月間1,200万人以上が利用する症状検索エンジンと、医療機関・製薬企業をつなぐプラットフォームとして、生活者向けの症状検索エンジン「ユビー」、医療機関向けの「ユビーメディカルナビ」、製薬企業向けの「ユビー for Pharma」といった事業を展開しています。
医療に関わるプロダクトでは、利用者へ継続的に価値を届けながら、ソフトウェアの品質と安全性を維持することが欠かせません。Ubieでは、その開発プロセスを支える手段の一つとして、AIコードレビューのCodeRabbitを活用しています。
今回は導入の経緯や実際の運用、得られた効果について、データエンジニアの由川さんにお話を伺いました。
開発スピードを保ちながら、レビュー品質を安定させる
Ubieでは、エンジニアがそれぞれの専門性を生かしながら、プロダクトや基盤の開発を進めています。由川さんが担当するデータエンジニアリングの領域でも、コードレビューは不具合の防止だけでなく、実装意図の共有や知識の属人化を避けるための重要な工程です。
一方で、レビューには対象となるコードだけでなく、変更の背景や既存の設計、周辺への影響まで理解することが求められます。レビューを担当するメンバーは、通常の開発業務と並行しながらPRを確認するため、タイミングによってはレビューがすぐに始まらないこともありました。
さらに、細かな実装上の問題や見落としやすい箇所まで人が確認しようとすると、レビュアーの負担が増えます。レビューする人の経験や対象領域への理解度によって、確認される観点に差が生じることも課題でした。人によるレビューをなくすのではなく、人がより重要な判断に時間を使える状態をつくる必要性がありました。
「レビューを依頼する側としても、できるだけ完成度を高めてから人に見てもらいたいと考えます。ただ、自分だけで確認していると、どうしても気づけない部分が残ってしまいます。人へ依頼する前に、別の視点から確認できる仕組みがあるとよいと感じていました」(由川さん)
AIがコードの文脈まで読むCodeRabbit
由川さんがCodeRabbitを知ったのは、AIを開発プロセスへ取り入れる方法を検討する中で、AIコードレビューという選択肢に触れたことがきっかけでした。生成AIにコードを書かせる活用方法が広がる一方で、生成されたコードを確認する工程にもAIを利用できるのではないかと考えていたのでした。
実際にCodeRabbitを試してみると、単純な構文やコーディングスタイルだけでなく、変更内容や周辺のコードを踏まえた指摘が返ってきました。人が見落としやすい箇所を具体的に示し、修正が必要な理由まで説明する点を最初に感じたと振り返ります。
「最初は、一般的な注意点を並べる程度ではないかと思っていました。でも、実際には変更したコードをかなり細かく読み、なぜ問題になり得るのかまで説明してくれました。想像していたよりも、人のレビューに近い感覚がありました」(由川さん)
実コードに対する指摘の有用性と導入負荷の低さが決め手に
CodeRabbitの導入を判断する際には、実際の開発で利用したときに、有用な指摘が得られるかどうかを重視しました。AIが多くのコメントを投稿しても、開発者が必要性を感じられなければ、確認作業が増えるだけになってしまいます。そのため、実際のPRを対象に試し、指摘の内容や使い勝手を確認しました。

検証を通じて、実装上の見落としや改善できる箇所を具体的に指摘できることが分かりました。すべてのコメントをそのまま受け入れるのではなく、人が内容を判断することを前提としながらも、レビュー前のチェックとして十分に活用できると手応えを感じました。
PRに対して自動的にレビュー結果が投稿されるため、開発者が普段の作業場所を離れずに利用できる点も高評価でした。新しいレビュー画面や特別な操作方法を覚えるのではなく、既存のコードレビューフローの中へ自然に組み込まれて利用されています。
「AIの性能だけでなく、日常の開発に無理なく組み込めることも重要でした。優れた指摘が得られても、使うための手順や管理が複雑では定着しません。普段のPRの中でそのまま使える点は、導入を考える上で大きかったです」(由川さん)
AIが一次レビューを担い、人は設計や意図の確認に集中
Ubieのデータ基盤チームなどでは、PRが作成されると最初にCodeRabbitが変更内容を確認し、コメントを返す形で活用しています。開発者は、人へレビューを依頼する前の段階でCodeRabbitの指摘を確認し、必要な修正を加えます。その上で人がレビューすることで、単純な見落としをあらためて指摘する時間を減らしています。
CodeRabbitが先にコードを確認することで、開発者はPRを作成してから早い段階でフィードバックを得られるようになりました。レビュアーの予定を待たずに改善へ着手できるため、レビューを受けて修正し、再び確認を依頼するまでのサイクルを短くできます。
その結果として人によるレビューでは、実装の背景や設計方針、プロダクトとしての妥当性など、人が判断すべき内容へ集中しやすくなりました。AIと人間のレビューを置き換えの関係として捉えるのではなく、それぞれが得意な領域を担当する形です。
運用では、CodeRabbitから返されたコメントを無条件に採用するのではなく、変更の意図や既存の設計と照らし合わせて判断しています。不要な指摘やチームの方針に合わない内容があればフィードバックし、実際の開発に合ったレビューへ調整することも重視しています。
「CodeRabbitのコメントが正解だと決めつけてはいません。人とは異なる観点からコードを確認してくれるので、判断材料の一つとして活用しています。その上で、人が最終的に判断するという使い方が当社に合っていると感じています」(由川さん)
CodeRabbit=Ubieの開発スピードと品質を両立させるAIレビュアー
CodeRabbit導入前
- レビュアーが通常業務と並行して確認するため、レビューがすぐに始まらないことがあった
- 細かな実装上の問題まで人が確認するとレビュアーの負担が増えていた
- レビューする人の経験や理解度によって確認観点に差が生じていた
CodeRabbit導入後
- PR作成後の早い段階でフィードバックを得られ、修正と再依頼のサイクルが短縮
- 人によるレビューは実装の背景や設計方針、プロダクトとしての妥当性に集中
- 既存のコードレビューフローの中へ自然に組み込まれて定着
- コメントは判断材料の一つとして扱い、最終的な判断は人が行う運用
Ubie固有の文脈を踏まえた、さらに深いレビューへ
今後は、コードそのものだけでなく、変更の背景にある要件や設計意図をより深く理解したレビューを目指しています。実装として正しいコードであっても、プロダクトの要件やデータの利用目的に合っているとは限りません。関連する情報をCodeRabbitへ適切に渡せるようになれば、確認できる範囲をさらに広げられます。
複数のリポジトリや周辺システムとの関係、Ubie固有の開発ルールや設計上の判断を踏まえたレビューも、今後活用を深めたい領域です。指摘の精度と応答速度が向上し、開発者がフィードバックを受け取って修正するまでの流れがよりスムーズになれば、CodeRabbitを開発プロセスの中でさらに活用しやすくなります。
CodeRabbitによる一次レビューと、人による本質的なレビューを組み合わせることで、Ubieは開発スピードと品質の両立を図っています。AIにすべての判断を委ねるのではなく、開発者が判断するための視点を増やす点がCodeRabbit活用に欠かせません。
CodeRabbitは、今後もUbieの開発を支えてまいります。
Ubieではソフトウェアエンジニアやインフラエンジニア、データエンジニア、アナリティクスエンジニアなど幅広くエンジニアを募集しています。興味のある方は、ぜひUbie 総合採用サイトをご覧ください。
業界
ヘルステック(症状検索エンジン・医療機関および製薬企業向けプラットフォーム)
チャレンジ
レビュアーが通常の開発業務と並行してPRを確認するためレビューがすぐに始まらないことがあり、細かな実装上の問題まで人が確認すると負担が増え、経験や対象領域への理解度によって確認観点に差が生じていた。