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vibe coding:予期せぬ技術的負債を防止しましょう

by
Atsushi Nakatsugawa

Atsushi Nakatsugawa

August 29, 2025

1 min read

August 29, 2025

1 min read

  • そもそもvibe codingとは?
  • vibe coderのジレンマ:雰囲気はスケールしません
  • AIは新しい抽象化層です(しかも強い非決定性を持ちます)
  • (vibeyな)プロンプトの速度で積み上がるテクニカルデット
  • vibe coding:脆さを増幅する装置
  • テスト、セキュリティ、そしてAIがデフォルトではやってくれないあらゆること
  • 苦闘が雰囲気に取って代わられると、直感を失います
  • vibe codingが本領を発揮する場面
  • 職人技を失うのではありません――負債に埋もれてしまうのです
  • vibe codingをするべきか、しないべきか?
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Vibe coding: Because who doesn’t love surprise technical debt!?の意訳です。

Claude Code、ChatGPT、GitHub CopilotのようなAIコーディングツールは本当にありがたい存在です。ボイラープレート、バグ修正、素早い探索、さらにはドキュメント作成まで、私は毎日使っています。生産性を高め、創造性を加速する手段として、AIには全面的に賛成です。

しかし、私たちのソフトウェアの書き方には変化が起きており、そのすべてが良いわけではありません。というのも、AI採用の段階が進み、私たちの一部が職場でvibe codingをしている状況になっているからです。これは、意図的な設計が、利便性と速度の前に投げ捨てられてしまう開発文化の兆しかもしれません。

そもそもvibe codingとは?

vibe codingは、もともとプロトタイプや趣味のプロジェクトを素早く立ち上げる方法として始まりました。モデルにプロンプトを投げ、あなたの入力は最小限のまま、アプリや機能全体を生成させます。すると、あっという間にコンセプトをテストできます。初心者の開発者、ソロの起業家、素早いデモを作る熟練の開発者に最適です。いわゆる「速く失敗する」ための手段です。

ただし、vibe codingに適したこれらのユースケースがある一方で、vibe codingはAIエージェントと協働してあらゆる用途のコードを生成する働き方へと進化し、プロダクションシステムにまで及ぶようになりました。

これは、生成されるコードをあまり理解せず、手動での入力も最小限のままAIにコードを書かせる行為を伴います。あいまいな指示、最小限の検証、そして出力への盲目的な信頼がつきものです。

vibe coderにとっては魅力的です。速く、手間がかからず、基盤となる言語やシステムアーキテクチャを理解する必要がありません。しかし、強固なメンタルモデルなしにAIへコード生成を促すとどうなるでしょうか。優先されるのは「雰囲気」であり、アーキテクチャは「たぶん」、テストは「あとで(やるなら)」という状態になります。

こんな感じです。

「Stripe連携のREST APIを、PostgreSQLバックエンドで作って。」

速く、誘惑的で、たいてい「それなりに動きます」。しかしその表面の下では、vibe codingで作られたアプリは脆い前提、不明瞭なロジック、まとまりのないスプロールを隠していることが多いです。

vibe coderのジレンマ:雰囲気はスケールしません

本質的に、ソフトウェアエンジニアリングは動くコード以上のものです。問題解決、保守可能なアーキテクチャの設計、読みやすく表現力のあるロジックの記述、正確なデバッグ、長期の信頼性の確保が求められます。

たとえば、vibe codingでマイクロサービスを動かせたとしても、エラーハンドリングはどうでしょうか。組織の規約に従っていますか。AIが、命名の一貫性に欠けるデータモデルを勝手に作っていませんか。ファイルごとに同じことを10通りの書き方でしていませんか。プロダクションのデータベースは無事でしょうか。

vibe codingでは、意図を持った命名、クリーンな構造の選択、よく考えられたフロー設計といった、長期的にコードを保守可能かつスケーラブルにするための意図的な設計ステップを飛ばしてしまいます。vibe codingが常態化すると、エンジニアの能力やシステムを強靭にするための深い思考が軽視される危険性があります。

地図なし、ブレーキなしで、技術的負債の山に向けてスピードランしているのと同じです。

AIは新しい抽象化層です(しかも強い非決定性を持ちます)

現代のプログラミング言語は、すでにハードウェアやメモリ管理を抽象化しています。AIはさらに確率的で非決定的な層を追加し、ロジックを一層見えにくくします。AIによって、私たちは意図そのものを抽象化しているのです。

ただし注意点があります。AIの出力は確率的です。つまり次のようなことが起きます。

  • 同じプロンプトでも、実行のたびに大きく異なる結果になる可能性がある

  • 言い回しを少し変えただけでも、まったく別のアーキテクチャ選択が返ってくることがある

モデルがそれを選んだ理由を、あなたが把握できないことも多いです。

このvibe coding的なあいまいさは、プロトタイピングでは問題にならないかもしれませんが、プロダクションシステムではどうでしょうか。不確実性は信頼、制御を損ないます。これらはスケーラブルなソフトウェア開発にとって極めて重要な資質です。

まるで、カオスに身を任せる魔法使いにコードベースのリファクタリングを任せるようなものです。

(vibeyな)プロンプトの速度で積み上がるテクニカルデット

正直なところ、vibe codingは最初は最高に気持ちいいです。1時間で動くプロトタイプができ、従来なら1週間かかったことが終わります。

しかし、適切なガードレールがなければ、その速度は次のような事態につながります。

  • サイレントバグ

  • 重複ロジック

  • ちぐはぐなアーキテクチャ

  • 不一致なパターン

  • レビューされないPR

  • テストカバレッジゼロ

  • 隠れた複雑性

構造を理解していなければ、将来の保守は苦痛になります。レビューには指数関数的に時間がかかり、見落としも増えます。デバッグは探偵仕事になり、スケーリングは勘頼みになります。最初に節約した時間は、後からもっと大きなコストとなって跳ね返ってきます。しかも、あなたはPRのバックログまで積み上げているかもしれません。

気づけば、「動く」けれど、触るたびに6時間のデバッグと、100万トークンのコンテキストウィンドウ、そして3回のセラピーが必要なコードベースに取り囲まれています。

vibe coding:脆さを増幅する装置

vibe codingで作られたシステムは次の傾向があります。

  • エッジケースで壊れる

  • 次の開発者(あるいは未来のあなた)を混乱させる

  • 本番で黙って失敗する

結果として、最初にプロンプトで節約したはずの時間以上に、レビュー、修正、説明、書き直しに時間を費やすことになります。あなたは、脆いだけでなく、謎めいたシステムを作り上げてしまったのです。

テスト、セキュリティ、そしてAIがデフォルトではやってくれないあらゆること

AIは、うっかり機密データをvibe codingしてしまっても、APIキーをハードコードしてしまっても、入力検証をスキップしてしまっても、警告してはくれません。完璧に指示しない限り、ドメイン駆動設計やテストカバレッジを強制することもありません。

強いエンジニアリングの直感がなければ、vibe codingは実世界の脆弱性や脆いシステムにつながります。特に、セキュリティが既定ではなく後付けになっている場合は危険です。たとえば、Tea Dating appが7万人以上の顧客の個人情報を漏えいした件や、AIによってSaaStrの本番データベースが削除された件がその例です。

AIがやらないことは次のとおりです。

  • ユニットテストの作成: 明示的に依頼しない限り行いません

  • あなたのスレットモデルの理解

  • OWASPガイドラインの遵守

  • 入力値検証: 完璧にプロンプトしない限り行いません

  • 適切なログ運用: ハードコードされた秘密情報やPIIの漏えいに注意してくれません

既に強固なエンジニアリング習慣がない、あるいはこのvibeyな時代でも習慣を守る意思がないなら、これらが欠けていることに気づくのは、本番で痛い目にあった後になります。

苦闘が雰囲気に取って代わられると、直感を失います

バグに苦しみ、スタックトレースを追い、失敗から学ぶことは、技術的直感を育てます。そのフラストレーションは学習の道筋の一部であり、それをスキップすると浅い自信と依存を招きます。

苦闘がなければ、開発者は不慣れな問題を自力で解く筋力を育てられません。そこにこそ真の熟達があります。確かにデバッグはつらいです。しかし、12層の抽象をまたいで厄介なバグを追跡する経験は、LLMでは決して得られない学びを与えてくれます。

苦闘が育てるものは次のとおりです。

  • システムのメンタルモデル

  • パターン認識

  • クラッシュ前にコードの腐敗を嗅ぎ分ける本能

これを飛ばすと、浅い理解の上に浅い自信を積み上げることになります。事態がこじれたとき、修復するための道具が手元にないのです。

vibe codingが本領を発揮する場面

公平を期すために言えば、vibe codingが素晴らしい場面もあります。

  • 迅速なプロトタイピング

  • ボイラープレートや反復作業の生成

  • インタラクティブにプログラミング概念を教える

  • ラフなモックで製品アイデアを伝える

  • フレームワークやパターンのブレインストーミング

意識的に使えば、vibe coderにとって有用な道具になります。盲目的に使えば、負債になります。開発者やチームとして、どこに線を引くかを理解する必要があります。そして、技術的負債がコードベースに固着する前に、より厳密なコードレビューやユニットテストという支援を導入するタイミングを見極める必要があります。

職人技を失うのではありません――負債に埋もれてしまうのです

最大のリスクは、AIが開発者の職人技を殺すことではありません。技術的負債が見えなくなることです。

AIコーディングが標準になるにつれて、システムは見た目上は完成しているように見えます。しかしその内側は、雑然として脆く、ドキュメント化もされていないかもしれません。そして、誰かが拡張しようとするまで、それに誰も気づかないのです。

これは次の領域で非常に重要です。

  • ヘルスケア

  • ファイナンス

  • インフラ

  • セーフティクリティカルシステム

もっとも、vibe codingが職人技と共存する新たな開発レイヤーに進化する可能性もあります。AIがボイラープレートや一次レビューのような退屈な作業を担い、人間がシステムのアーキテクチャ、倫理、設計に集中するという在り方です。

これこそ私たちが望むタイムラインであり、CodeRabbitがAIに取り組む姿勢です。私たちは、プロダクションに技術的負債やバグが入り込むのを防ぐために、コーディングエージェントを補完するAIツールに注力しています。逆方向ではありません。

vibe codingをするべきか、しないべきか?

これは反vibe codingの記事ではありません。私自身、毎日のワークフローでAIコーディングエージェントを使っています。ただし、ツールは私たちのスキルを強化するものであって、置き換えるべきではありません。単調で反復的な作業を肩代わりするべきであり、思考や戦略まで奪うべきではありません。

vibe coding自体は悪ではありません。ただし、誤用されやすいのです。本当の危険は、チームの開発者が自分たちの作っているものを理解する前に、それがプロジェクトのデフォルトの思考様式になってしまうことです。

AIを受け入れつつ、コーディングという職人技を生かし続けましょう。良いソフトウェアは、動けばいいというものではありません。最初の開発者が去った後も、そして「雰囲気」が消え去った後も、長く持続することが重要なのです。

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